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2018-04-03

世界自閉症啓発デーによせて。当事者からのメッセージ。

ご訪問ありがとうございます。

 

豊橋市三本木町

就労支援インクルです。

 

 

今日は4月3日。

 

今週 4月2日から8日は「世界自閉症(発達障害)啓発週間」です。

 

 

毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」と定め、

自閉症の方々が生きやすい社会を目指し、

自閉症についての認知や理解を求めて世界各地で様々なシンポジウムやイベントが行われています。

 

 

 

インクルでも、イメージカラーの「青」を身に着け活動をしました ( ^^)

 

 

 

 

 

今回は青いリボンを装着。

自閉症の支援リボン・アウェアネスリボンは ジクソーリボンで、自閉症というとこのカラーのイメージが強いですが、

啓発デーでは癒しや希望を表す色として「青」がシンボルカラーになっています。

 

 

世界各地で青色のライトアップが行われることでも有名で、

日本でもその活動が広がっています。

 

大阪城や姫路城が有名ですが、近隣の浜松城や掛川城でも行われたそうです。

 

掛川城のライトアップ

 

今日は、この啓発週間によせて、

当事者からのメッセージをつづらせていただきたいと思います。

 

 

 

 

今年42歳になる私は、自閉症スペクトラムとADHDの当事者です。

 

35歳の時に精神疾患を患ったことをきっかけに初めて診断を受け、

その後改めて訪れた浜松医科大学で上記の診断を受けました。

 

一見、「ちょっと変わった普通の人」に見える私ですが、

日常生活ではADHDの特性が前に出ているため、

掃除や洗濯などの家事全般をコンスタントにこなすことが難しく

物やスケジュールなどを管理することがとても困難で、

三人の子供を育てていてもままならないことがたくさんあります。

 

小学生の持ち物を期日までにそろえること、宿題を把握すること、

給食ナフキンを「毎日」用意することですら、私には困難でした。

 

学校の予定把握をすることもうまくいかず、授業参観の日にちを忘れたり間違えたり、

入学式や卒業式ですら忘れたり間違えたりしてしまったことが何度もあります。

 

自分だけのことなら「忘れっぽい」で済んでいたことが、

子供を育てるようになって「子ども自身」の評価や印象につながってしまうことがとても辛くて、情けなくて、

ひどく落ち込みました。

 

 

子育てに集中したくて専業主婦になりましたが、

すると今度は自閉症スペクトラムの症状であるこだわりが前に出て、

一生懸命に「完璧」を目指してしまう。

 

「ちょうどいい」ところが調整できず、

拘ってしまうと自分でも制御ができません。

 

 

元々足りない能力を「努力」と「根性」で押し切ってしまい、

 

結果的にキャパオーバーで寝込むことになり、精神を病みました。

 

 

でも、やっていたことはごく一般的な「お母さん」の通常の範囲には届きませんでした。

 

 

自分が「発達障害ではないか?」と思い始めたのは、診断から3年ほど前からでしたが、

診断を受けるにはうけ皿が少なく、

精神疾患の症状で受診しても改善はありませんでした。

 

何とかたどり着いた病院で診断を受けてからも、状態は落ち着かず、

発達障害の研究で有名な医大への受診で初めて自分を認めてもらえた気持ちになりました。

 

 

その後、ADHDの治療薬であるストラテラを服用しましたが現在は服用を中止しています。

 

薬を飲んでいたら何となく頭がすっきりしたような感覚があり、

実際、物事への取り組みがスムーズになった印象がありました。

 

ですが、服用をやめてからはもちろんそんな感覚もなくなり、切り替えもうまくいきません。

 

特性は、仕事の場面でも様々な困難と不和を生み出します。

 

高校を卒業してから正社員やパートでたくさんの仕事を経験しましたが、

インクルで働くまで、一年続いた仕事はありません。

 

 

私は、能力のバランスが大きく偏っていて、

目で見て理解する力や、物事を分析する力は大きく長けいて、ぱっと見「できる」部分が目立ちます。

 

ですが、実際に仕事をしてみると。

家庭で困っている事柄は「できない」部分として逆側に大きく顔を出してきます。

 

「なんでもできて、仕事も早い。

だけど、期日や時間が守れず、自分の考えで突っ走る」

 

それが仕事での私の印象です。

 

業務だけではなく、人間関係も困難なことがどんどん増えていきます。

「正論」という名のこだわりは、自分勝手で独裁的な印象を広げ、

元々人の気持ちがわからないのでさらに「持論」しか見えなくなり、人の話を聞かなくなります。

 

そこでもって変なところで「当たり前のことができない」

 

すると、さらに不信感ばかりがつのり、

居場所がなくなるようなことが多くありました。

 

ですが、インクルではそんなことはありません。

 

今現在、私は

自分の特技を生かし、苦手なことは助けてもらって。

背中を押してくれる人と、止めてくれる人がいるおかげで、いろんなバランスを取りながら元気に働いています。

 

他の場所ではうまくいかなかったことが、なぜここでは回っているのか。

 

それは「両者の歩みより」があるからだと思います。

 

障害がある以上、会社の「枠」に全てハマって働くことは現実的に難しいことがあります。

それは、私自身でもどうすることもできません。

「障害」とは、そういう意味です。

 

ですが、一定のラインをクリアすために「どうすればできるか」を話し合う場がインクルには常にあります。

 

 

たくさんの事柄から優先順位を拾い、

私でなければできないこと・他の人ができること・他の人でなければできないこと

を無意識に切り分け、

お互いの交わる部分を探す体制がここにはあります。

 

できないことは「助けてください」とお願いします。

逆にできることは精一杯頑張ります。

 

そして、わからないときは「わかりません」といいます。

 

それができるのは、障害によって難しいことを私自身が受け入れたこともありますが、

インクル自体が「人として私のことを認めてくれているから」です。

 

障害者と健常者が共生することは、一見するととても難しく見えます。

それは、お互いのことがわからないから。

 

障害者には健常者の感覚やきもちはわからないし、

逆に健常者からしたら、障害者の感覚も気持ちもわからなくて当たり前だと思います。

 

だからお互いどうしたらいいのかわからなくなってしまう。

 

わからなければ聞けばいい。

障害者側からも伝えればいい。

 

そのコミュニケーションがうまくいかないのなら、そこを埋めるのが「支援」だと、私は思います。

 

 

 

自閉症をはじめとする発達障害は目に見えてわかりにくい障害であることから理解が難しく、
時に性格や個性、気持ちの問題として扱われることがあり、
その歴史の中で当事者や家族は誤解に苦しむことがよくありました。

 

近年は、テレビや雑誌など様々なメディアで取り上げられる機会も増え、

自閉症が「障害である」ということが広く認知されてきましたが、

その一方で「どうすればいいの?」という疑問がなかなか解けない方もたくさんいらっしゃると思います。

 

理解したい・力になりたいと思っていてもどうしたらいいかわからない。

 

そんな方たちの「理解」のきっかけとしても、この啓発週間は大きな情報源になる と感じます。

 

 

 

障害者だから  といって、特別扱いしてほしいわけではありません。

なんでも人任せにするつもりもありません。

 

障害者の人たちは、私だけでなくそのほとんど人たちが

「人の中で楽しく過ごしたい」と思っています。

自分を認めてほしいと思っています。

 

自閉症は、人の気持ちがわからないけど、人が嫌いなわけではありません。

困っていたり、わからなかったり、

そんなことの繰り返しで立ち止まっている人がとても多いです。

 

「あれ?」と思ったら

「どうしたの?」と、聞いてみてください。

きっと何か合図を出してくれます。

 

 

分からなかったら見守ってみてください。

きっと何かまたきっかけをくれます。

 

 

何を示すのかわからなかったら、そこをつなげる方法をみんなで探しましょう。

 

私は、当事者だからこそわかることを拾い、

健常者と障害者の架け橋になりたい。

 

そう思ってこの仕事をしています。

 

 

障害者と健常者が当たり前に共生し、

それぞれが自分らしく「ゆたかな」人生を送れる社会になること。

 

 

それが”当事者である”私の願いです。

 

 

 

 

 

 

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